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2024年10月 |
今年の夏は9月になっても異常な暑さが続きました。そのためか多くの方が何故か私に「暑いです!」と訴えておられた気がします。涼しくして差し上げたいのはやまやまですが、ひどくなる一方の地球高温化を改善する力は私にはないようです。「暑いですねえ」とご返事しつつ、その方が少しでも心穏やかに過ごせるよう及ばずながら祈っておりました。
異常な暑さのためか過去最強と言われる巨大台風が迫ってきたりお米が店頭から消え去ったりと、最近も不穏な出来事が次々起こりました。もしも災害に襲われ食料や水、電気などが確保できなくなると、透析医療は大きな打撃を受けます。運よく透析ができたとしても、様々な不安や不自由さに耐えながら医療や生活を続けていかなくてはいけません。災害への備えは透析には必須といえます。
災害時には安否情報の収集、透析継続に関する情報発信、行政や他の医療機関との連携などを厳しい状況の中で行うことになります。電気や水道も止まった院内にいる方々のケアも必要でしょう。猛暑の最中にエアコンもトイレも使えなくなったらどうなるか。想像するだけで気が遠くなりそうです。
あまりに暑い状態が続くとイライラする人が増えるということは、この夏実感できました。暑さに災害が加わるという非常事態には、人の命を第一に考えながらも多くの人のストレスを和らげる対策も必要になります。
災害時の透析継続は大変な仕事になります。それには多くの人との協力、連携が不可欠であり、イライラした気持ちは医療の妨げになることでしょう。辛い状況でストレスをためている方に如何にして穏やかな対応を続けるか。これは普段から工夫とトレーニングを積んでおきたいと思います。みんなが苦しい時こそ、穏やかさの力が生きてくる筈です。
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もみじ10月号 四方山話より |
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