2022年7月

 総社でも大きな被害の出た西日本豪雨から4年が経ちました。ここ数年は全国で毎年のように水害が発生しており、中でも海水温が上昇し梅雨前線の活発化する7月上旬が要注意なのだそうです。台風以上に被害発生が予想しにくい、線状降水帯と言われる現象が原因だと聞きました。
 これも急速に進む気候変動の結果なのでしょう。地球温暖化で水温の上がった海で発生する大量の水蒸気が、過去に例のない豪雨となって私達の暮らす町に降り注ぎます。大型台風の直撃はなんとか免れることが多い郷土岡山も、線状降水帯は避けられないことが西日本豪雨で示されました。
 避難方法の確認、必要物資の準備、情報収集手段の確保など、平常時からやっておくべき災害対策はインターネットやスマホである程度調べることができます。最近ではテレビやラジオでも独特の警報音や「命を守る行動を取って下さい。」というアナウンスと共に、積極的に災害情報を流すようになりました。
 それでも一体どこから手をつけたらいいか分からぬまま、「誰かが何とかしてくれるだろう。」という考えについ流される私の様な人もおられることでしょう。そんな私達は、とにかくまず災害を怖がること、心配することから始めるべきなのかもしれません。これなら今すぐこの場で出来る訳です。自宅の2階にまで水が押し寄せ、電気も水道も使えない非常事態を想像力の限り頭に浮かべてみましょう。
 災害は透析医療を直撃します。隣の真備町の方々は西日本豪雨で大変な苦労をされました。不安や無力感に負けず災害への備えを日々積み重ねて行くことが、生き延びるための道筋であるようです。迫ってくる災害から目をそらさず僅かなことでも対策を重ねる気持ちが、4年前の豪雨の記憶を風化させないことにつながると思います。

もみじ7月号 四方山話より