2020年8月

 新型コロナウィルスの影響で、「三密を避ける」「ステイホーム」という言葉はすっかり定着しました。レジャーや飲食に出かけたり家族や友人で集まったりしにくい状況は、本当に辛いという方々もおられるでしょう。
 医療の分野でも学会や研究会の多くが中止になっており、私も日頃お世話になっている先生方にお会いしたりご挨拶したりする機会は急減しています。ただ元来ほとんど家と職場で過ごしていた生活には、それほど劇的な変化はありません。仕事柄在宅勤務という訳にもいかず、色々な意味でこの数ヶ月は静かな生活を送ってきました。
 一体いつになったら元の生活に戻るのか。答えられる人は誰もおらず、コロナウィルスとの戦いは本当に手探りの持久戦になりつつあります。しかし皆さん手洗いやマスク着用を徹底されたせいか、風邪や胃腸炎の患者さんは随分減った気がします。何故か血糖値が改善してきた糖尿病の患者さんも結構おられます。多くの方々が感染症に対して自分なりの防衛策をとられた結果ではないでしょうか。
 豪雨被害も出た梅雨の時期が過ぎ台風の季節を迎えますが、水害に備えて学校や公民館へ避難するにもコロナウィルスへの注意が必要になりました。今までに経験のない厄介な事態ですが、非常時にも助け合いの気持ちをしっかり持てば、ぎりぎり何とかなるのではないかという気もしてきます。
 新しい生活のあり方に、無理やりにでも、どこか良いところを見つけて前向きに変化し続けることができないものか。ステイホームの機会に、ご自宅やご近所の良さに改めて気づいたという方もおられるかもしれません。まだまだコロナウィルスとの持久戦は続きそうですが、苦労や緊張の中にも楽しみを見つけるような感じで頑張ってみたいと思います。

もみじ8月号 四方山話より