2017年8月

自分もそんな年になったと言えばそれまでですが、最近になり10代の若者たちが活躍する姿に感心することが増えてきました。マスコミを賑わすような全国トップレベルの話題も勿論ですが、身近な岡山でも頑張っている少年少女たちの姿を見たり聞いたりしては、「すごいなあ」と感じ入っています。若い人がひたむきに努力する姿に接するのはなかなか良いものです。
 「将来の夢に向かって」とはよく使われる表現ですが、若い頃に何かの夢や目標を明確に持っていた人は果たしてどれだけいるのでしょう。今の若者たちも、スポーツにしても美術や音楽でも、将来それで生計を立てるという人はごく少数です。それでも今日この日、今この瞬間に集中し、精一杯の力を注ぐ様子は間違いなく輝いています。「未来は未来、今は今」やる気の出ない言い訳に使うような言葉が、ここで頑張っている時にも使えるのが面白いと思います。
 すっかり大人になった自分が、今更食事療法を頑張って血糖値を下げたり体重を減らしたりしても、それが一体何になる、大して何も変わらんじゃないかと思う方もおられるでしょう。また人によっては、地道に医療の仕事に取り組んだって誰からもそんなに誉められる訳でもないし、という気持ちになることもあるかもしれません。しかし若い頃何かに必死で取り組み頑張った経験をお持ちの方は、あの努力が後々とても役に立ったことを思い出したりはしないでしょうか。
 若者に声援を送る我々大人は、どこかで彼らに自分自身を重ねている気がします。この夏も苦しい練習に耐え、応援してくれる人たちに笑顔でこたえる若者の姿が沢山見られることでしょう。「やっぱり頑張るっていいな、私もちょっとやってみようかな」という具合に、共にもう一度何かに挑戦してみませんか。

もみじ8月号 四方山話より