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2015年8月 |
この8月は終戦後70年の節目を迎えます。岡山で透析に関わって暮らす私達は平和への意志を日々表明してはおりませんが、「とにかく戦争はだめ」という素朴な思いはみんな共有していると思います。安定的に医療を続けるには、とにかく社会が平和であることは絶対の前提です。戦争は透析の敵だと言っていいでしょう。
戦争というか争いごとを好む人というのが実際にいるのでしょうか。国際政治や外交問題はよく分かりませんが、世界のニュースを聞いてもすぐ身の回りを見ても何かイライラしている人が増えている感じがします。例え顔つきは笑顔で口では世間話をしているようでも、何かがあるとすぐに人を押さえつけるような態度が出てきたりします。「力のあるものが勝つ。お前は黙って言われた通りにしろ。」そんな声が聞こえてくるようでもあります。
痛切な戦争体験を持っている方々の声は年ごとに小さくなっていきますが、今でも二十代の若い人達から戦争への不安や反戦平和の声が上がっていると聞くと何故だかほっとします。私などにできることは限られていますが、むきになって言い返したり車の運転中に微妙に攻撃的になったりと、こんなところは反省する必要があります。世界平和と日常生活ではレベルが違いすぎるかもしれませんが、全く無関係とも言い切れないでしょう。
戦闘機を飛ばし軍艦を派遣したり、言葉や態度で威嚇したり、人が人を力で押さえつける手段は様々です。子供の頃から人と争って勝ったという覚えのない私ですが、やられっ放しで悲惨な毎日を送っている訳でもないのです。平和の尊さを諄々と説くような力はなくとも「お先にどうぞ」と穏やかに待っていることぐらいはできそうです。戦争も平和もどこか遠くの出来事ではなく、毎日透析をしている私達のすぐ近くから始まることであるような気がしてなりません。 |
もみじ8月号 四方山話より |
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