2014年12月

 今年も残りわずかとなりました。皆さん一年間いかがお過ごしだったでしょうか。クリニックにとって今年は前院長が亡くなって10年目にあたり、長かったような短かったようなここまでの歳月を何となく思い返すことも多かった気がします。本当に色々なことがありました。お世話になった方々にはただ感謝するばかりです。
 どこからか「また一つ年を取るんじゃなあ」という声も聞こえてきます。確かに自分自身も周囲の人も皆平等に年を取ります。10年も経てば多少はシワや白髪が増え、お肌は少々たるんだかもしれません。しかしそのすぐ傍らで子供や若い人たちはそれだけ大きく成長しています。大人が昔を懐かしんだりしている間に、彼らは今現在を全身で生きています。
 ある自動車メーカーの社長さんは85歳でバリバリ働いているそうです。新しいことに興味を持ち、挑戦する気持ちのある人はいくつになっても若いと思います。前院長は肝硬変で入院したり手術を受けたりしながらクリニックを作り上げ、62歳で亡くなりました。特別な悲壮感があった訳でもなく、明るさと前向きな姿勢を残していってくれました。
 透析医療に関しては少子高齢化や財源不足の問題から、これからもっと大変な時代になりますよというお話を耳にすることが増えたのは事実です。だからと言って、我々の将来は苦労ばっかりと決まったわけではありません。未来は今から、ここからでも変えられると信じたいものです。
 先達の業績を仰ぎ見て、子供や若者の成長を実感することはいつだって可能です。新しいものを発見し、作り出すのに年齢や少々のハンディキャップなど関係ない気もします。過ぎたことにこだわり過ぎず、先々を徒に悲観せず、前を向いて、信じる気持を忘れずにいたいと思います。そして次の10年、20年へと皆さんと共に進んでいきます。来年もどうぞよろしくお願いいたします。

もみじ12月号 四方山話より