クリスマスとお正月がすんだと思ったら、早くも2月14日のことをあれこれ考える人達が出てきました。私より少し上ぐらいの世代から、このバレンタインデーという記念日に色々な思い出のある方も多いことでしょう。我々が若い頃には女性が意中の男性にチョコレートを贈る日だとされていました。『女子会』や『〜女子』という女性だけで完結する社会観が台頭してきた昨今ではありますが、よくハートマークに象徴されるこのイベントも微妙に姿を変えながら生き残っています。
その昔、「愛し合ってるかい?」と繰り返し聴衆に呼び掛けていたロック歌手がいました。色々と重たい現実がどかっと居座っている医療施設では、何だか殺伐とした空気が支配的になってしまう時もあります。しかし様々な結婚の知らせを聞くたびに、この医療の現場で結ばれるお二人もけっこう多いということを実感します。愛情のある生活が、仕事に疲れた心身を癒してくれるということもきっとあるのでしょう。
「あの人はおめでたなんじゃないの。」そんなことをぴたりと言い当てるご年配の先生も以前おられました。「ちょっと見ていればわかるよ。」というその眼力に私などはただもう感服するばかりでした。女性に私生活のことをあれこれ尋ねるのは、時と場合によってはご法度とされています。しかし職場を管理する側としては結婚や出産にからんで色々と配慮を求められることもあり、女性の私生活に全く無関心でもいられないという事情もあります。
愛とはひそやかに育まれることが多いものだとは私も認識しております。しかし最近はお役所や商工会議所などが主催するお見合いイベントも増えており、結婚紹介業の宣伝も山ほど溢れています。2月14日に色々あったのはすっかり昔の話で、「バレンタインでも何でもいいから、早く良い人が見つかるといいね」とついいらぬ心配をしてしまうのは我々がおじさんおばさんになってしまった証拠かもしれません。いずれにしてもこれからを担う若い人達が仕事にも愛情にも恵まれることを、みんなで願おうではありませんか。
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