2011年2月

一月は行ってしまう、二月は逃げて、三月は去るなどと言いますが、早くもお正月から一ヶ月が経ちました。新年に際して禁煙、ダイエット、資格取得、「今年こそ、はっきり言わせてもらう!」などなど何か決心をされた方も多いことでしょう。ひと月で早くも挫折しそうだという方も、まだ諦めずに是非頑張って頂きたいものです。
 目標や計画を立てるのは大事なことです、と我々は子供の頃から教えられてきました。勉強やスポーツの練習を予定通りこなすことから将来の夢に至るまで、きちんと計画を立てて成功を積み重ねる人は私の周囲にもいました。また大人になって仕事に就いてもノルマや到達度、業績や決算の報告などに追われる場合があります。過去の実績や失敗を分析し今後の予定や方針を決定するというのは確かに大切で、それがなくては同じ間違いを繰り返し周囲の期待に応えることもできなくなります。
 しかしそんなに計画通りうまい具合に物事が進んでいる人は、果たして全体のどれだけなのでしょう。目標や誓いを立てては挫折しまた立てては挫折とその連続です、という声の方が我々の耳には馴染んでいます。私も目標を立てるのは苦手にしておりまして、この年末年始にも昨年を振り返ったり今年以降のことをあれこれと考えたりしているうちにすっかり気分が滅入ってしまいました。世間でも景気回復や財政再建は遅れ遅れで、「失われた10年」はいつの間にやら「失われた20年」に延長されました。
 ここで私は都合良く「明日のことを思い煩うな」という言葉を思い出します。過去にこだわったり先々の事を考えすぎたりするよりも、ひとまず目の前のことや今日の仕事に集中してみましょうかという訳です。健康のために運動したり間食を止めたりするのも、来週から本気になるよりまず今日だけでもすぐやってみるのはどうでしょうか。例え三日坊主に終わっても、また何度でも試みるうちに成功するかもしれません。遠大な計画もいいのですが7回目の禁煙や10回目の減量宣言にも、なかなか侮れない効果があるように思います。

もみじ2月号 四方山話より