2011年12月

今年も残すところあと少しとなりました。本当に月日の経つのは早いものです。一年なんてあっという間、十年でもすぐなのかもしれません。まだまだ先だと思っていたことが、もう目の前に迫っているなんて…という経験をされた方も多いと思います。
 最近はあちこちで環境保護のために木を植えています、という話をよく耳にします。苗木を植えてそれが大きく育つのを待つなんて、ずいぶん気の長い話だなと若いころは思っていました。しかし今は大木が育つまでの期間も以外に早いのでは、と思うようになりました。ふと気付くと自分の子供たちはどんどん大きくなっており、たまに会うよそのお子さんに至ってはもう驚くようなスピードで成長しています。「え、もう高校生になったの?」ついそんな言葉が口をついて出るようになります。子供や若い人の成長とはやはり楽しみで、何だか頼もしいものだと思います。
 私が医者になる直前の時期と今とを比べても、携帯電話やパソコン、インターネットの普及といった生活環境の変化はもちろん、透析のほか糖尿病、リウマチ、喘息、C型肝炎などといった比較的身近な分野の治療手段も格段の進歩を遂げています。そんな時代の変化についていくのをしんどいと思うか、色々な変化や出来事に前向きに対処するかどうかはその人次第です。例えば80歳を過ぎて携帯メールを使いこなす方々にはただ脱帽するばかりですし、仕事上のトラブルや家族の不幸といった一大事の後でもただ打ちひしがれている人ばかりではありません。時の流れや状況の変化に柔軟に対応できる人というのは、年齢を問わずにおられるものだなと感じます。
 来年もまた予想もしなかったようなことが起こるのでしょう。中には嫌なことや辛いこともあるのかもしれません。しかし何があっても木々はまた新しい枝葉を繁らせ、若者や子供たちは日一日確実に成長します。どんなことにぶち当たっても何とかどこかに希望の光を見つけて、またぼちぼち進んでいければと思います。

もみじ12月号 四方山話より