2009年2月

 年末、年度末となりますと年末調整だの確定申告だのと色々面倒な手続きが多くなってきます。どのご家庭でも家計や収入を見直す時期だと思うのですが、最近は夫婦共稼ぎという方も多いはず。お父さんが稼いできて一家を養うという昔ながらの構図も大分様変わりしてきて、男性女性の家庭での役割も微妙に変化しています。外に働きに出るのは男性、家庭を切り盛りするのは女性という形は今でも世の中の主流なのでしょうか。
 働いてお金を稼いでくることが一人前の証だ、という考えに我々は子供の頃から漠然となじんでいます。しかし例えば専業主婦の方もまだ大勢おられるわけで、主婦は大人として一人前ではないのかというと勿論そんなことはありません。夫を支え子供を育て親族や地域の付き合いをこなすのも大切な仕事ですし、最近では家族の介護ということも家庭生活の大きな位置を占めています。欧米では奥さんが働きに出てご主人は専業主夫、という家庭も増えているそうです。要は家族や社会の役に立ち、貢献するあり方は様々だということでしょう。
 人は誰でも周囲の役に立ちたいと思いをどこかに持っている筈です。人から『有難う』とか『助かります』と言われて嫌な気持ちをすることはありません。男性女性に限らず、高齢の方や子供たちでも集団の中で何かの役割を果たすことは可能です。おじいちゃんおばあちゃんが孫、ひ孫の面倒を見てくれるだけでも働くお母さんは大助かりです。自分で自分のことが出来るということが如何に周囲を助けてくれるかは、看護や介護、保育の現場で痛切に感じられることです。ちょっとした笑顔や『有難う』といった一言が、傍らで働く誰かを大きく励ますことだってあります。こうしたことはささやかなようであっても、世の中に及ぼす効果は決して小さくありません。
 私は家事や子供の相手は下手ですが、それでも我が家での役割は稼ぎを持って帰るだけではないと思っています。しかし仕事以外で私に何が出来るのか、家内に見放される前によく考えねばならないようです。

もみじ2月号 四方山話より