2008年8月

一年生になったうちの長男が初めて夏休みの宿題をもらって帰ってきました。始めのうちは楽しいばかりだった夏休みも、お盆の頃ともなればそろそろ宿題が9月までにできるかどうか少々不安になったりした思い出を持つ方も多いと思います。私たちの子供の頃は自宅も図書館もエアコン完備などではなくて、扇風機にあたりながら汗をたらして宿題をしていた記憶があります。
 今年の夏は早くも凄まじい暑さが到来しています。田んぼや畑に建設現場といった屋外や、工場・ビルの一隅など高温のもとで仕事をされる方々のご苦労は大変なものでしょう。私など空調の効いた病院の中で仕事をさせてもらっているのが何だか申し訳ないような気さえしてきます。この夏上昇しているのは気温ばかりではなく、原油や小麦などの値上がりにつれてガソリンや食料品の値段も上がる一方です。上がらなくてもいいものばかりが上がってくれて、出るのはため息ばかりということが増えたかも知れません。
 汗水たらすという言葉はよく働くことの形容として昔から使われています。一方で研究職や金融関係、精密機械にコンピューター分野など、屋内での仕事も現代では重要さを増してきています。海外から石油や小麦を日本が買うためのお金も、少なからぬ部分がこうした仕事場から生まれています。医療もまた然りで、治療を行うのも研修や勉強をするのも大体が部屋の中ですが仕事の重要さは他の分野にひけをとりません。暑いところで本当に汗を流しておられる方々や、米や魚など大切な食べ物に関わる仕事をされている方々には感謝をしながらも、自分の持ち場で自分の本分をしっかりと果たしていくことが大切なのでしょう。
 今の子供たちがみんな汗をたらしながら夏休みの宿題をしているのかどうかは分かりませんが、子供や若い人たちの勉学や教育を奨励することが社会の将来を支えることになるのは間違いありません。仕事で汗を流すことや勉強することを厭わない姿勢は、大人が背中で示さねばならないのでしょうか。
 そう思いつつ先程からクーラーを切ってこの原稿を書いていたのですが、何と言いますか、やはり暑いものは暑いですねえ…

もみじ8月号 四方山話より