2007年5月
 五月は毎年大型連休から始まりますが、今年は全国で70万を超える人が海外旅行へ出かけるそうです。会社によっては10日前後の連休が取れるところもあるとのことで、「日本人は働きバチだ」と言われていた頃をご存じの方にとっては隔世の感があるかもしれません。しかしその一方で、週70時間を超える苛酷な労働状況や、働き過ぎによる過労死やうつ病の報道も増えています。世の中はしっかり休む人からひたすら働き続ける人まで様々です。
 自分に果すべき役割があるというのは幸せなことでしょうし、何もせずに遊んで暮らせるという毎日が本当に楽しいのかどうかは分かりません。家族や友人、職場やご近所の方々でもいい、自分が誰かから必要とされているんだ、自分は周囲のために役立っているんだという感覚は大きな生き甲斐になります。その一方で、もう倒れる寸前になっても「いや、どうしても私がいなければいけないんです」と歯を食いしばるようにして、仕事や家事、家族の世話などに懸命になっておられる方々の姿があります。その責任感には私も尊敬の念を持っておりますが、休むべきときにはしっかり休むという習慣を持たなければ、人間いつかは本当に倒れてしまうでしょう。
 どれだけ頑張って、どれだけ休めばいいのか。このさじ加減に一般的な答えはないわけで、人それぞれが自分のペースを大切にするしかないようです。ただ誰でも自分のことは分かるようで分からない。もうちょっと頑張りましょうとか、少し休んだらどうですか、という周囲からの助言が有効なことも多いようです。真面目な人の中には自分からはなかなか休むとは言えないところもあります。本人は頑張るというけれど、周囲が半ば強引に休ませてしまうことで状況が好転することもあるでしょう。
 五月病などという言葉もあり、どうもこの時期は気を付けないと疲れやストレスがたまりやすいのかもしれません。様々な事情でまとまった連休はとれないという方も多いと思いますが、新緑の空気を一杯に吸う様な気持ちで、みんな揃って少しでも心身をリフレッシュしたいものです。
もみじ5月号 四方山話より