2005年7月

見事な空梅雨でほとんど雨が降らない日が続きます。今は6月の末ですが暑さは真夏なみとなることもしばしばです。まだ岡山では取水制限はかけられていませんが四国ではダムの貯水量の低下が報じられており、農作物を育てておられる方を中心にこの空梅雨に不安や苛立ちを感じている方は多いことと思います。普段は何気なく水道の蛇口をひねって使っている水ですが、空梅雨で足らなくなるかもしれないとなると俄然そのありがたみが増してくるのを感じます。水を大量に使う透析施設を預かる者としては水の確保は重要事項ですが、水の豊富な日常にまぎれているうちにあまり意識しなくなるのが正直なところです。

また蒸し暑い日本の夏にもはやクーラーは必需品とも言えそうですが、冷房に使われるエネルギーというのは実は膨大なもので国全体の夏の電力消費量を大きく左右するそうです。今年は「クールビズ」なんて言って夏は仕事中でもネクタイやスーツを脱いで薄着をして電力消費を節約しましょうということを国が旗振りしています。それでも日本中でエアコンの設置台数が増える一方なので今年も消費電力は最高記録を更新することが予想されています。電気を生み出す主なエネルギー源は石油ですが、石油とて無制限によその国から安く買ってこられるわけでもありません。それはガソリン代値上げの度に痛感するところでもあります。

一見ありきたりの生活や快適さも結局は決して只で誰かから貰えるものではないのでしょう。それに対する感謝の気持ちを全く忘れてしまったらいつか取り返しのつかないことになるのかもしれません。水や電気のような生活に欠かせないものを節約する精神というのは単なるケチで片づけられるものでしょうか。

元来私は暑かったらすぐ冷房、ちょっとの移動にもすぐ車というたちなのですが、この夏は話題の「クールビズ」の尻馬に乗ってみようかと考えております。東南アジアの人々が開襟シャツで公務を行っているのをテレビで見かけますが、なかなか理にかなっているようにも思うのです。日本の平均気温が年々上がっている中、私が少しばかりくだけた服装でいるところを見かけても暑さに免じてどうかご勘弁を願います。
もみじ7月号 四方山話より