2005年12月

早いもので今年もとうとう12月。師走の声を聞く、というと何だか慌ただしくてせわしない感じがします。勤めておられる方なら様々な期限があったり忘年会があったり、クリスマスやお正月の関係で仕事がかき入れ時というもおられることでしょう。ご家庭でも年賀状やお歳暮のやりとり、新年を迎える準備があったりなどなど、多くの方が「忙しい、忙しい」「年末はバタバタするから・・」と言われる時期ですね。
年末に限らなくとも、業績のいい会社やお店は沢山の仕事に追われているでしょうし、職場で重要な地位におられる方には果たすべき職務が山積していることでしょう。仕事のできる人、周囲から必要とされる人にはそれだけ多くの仕事がついて回るということでしょうか。「このところ残業続きで・・」とか「もういつ休日をとったか覚えていません。」などと様々な人が懸命に頑張っておられるのを見たり聞いたりしていると、こちらまで何だか忙しくしていないと申し訳ないような気分になってきます。
その一方で、スローライフという言葉がもてはやされたり、「ニート」「ひきこもり」といった、仕事に就けない若者の増加が社会問題として取り上げられたりしています。仕事以外でも、ご家族の看病や介護で疲れ切っているという方も増えています。「体がだるくて何もする気が起こらない」「いつも憂鬱で気持ちが晴れない」「どうしても周囲にとけこめない」などと、元気で忙しい方々からはなかなか理解されないような問題で悩む人も少なくありません。真剣な顔で大真面目に頑張ることが全ての問題を解決してくれる訳ではないでしょう。時には冗談を言う余裕も必要でしょうし、笑顔や思いやりのある一言が、色々なことで疲れた気持ちをほっと和ませてくれることも事実です。
年の瀬の活気に溢れた賑やかさというのは私も好きですし、決して私が暇で年中うたた寝ばかりしいているという訳でもありません。ただ忙しいから大変なんだとか、こちらに配慮して欲しいとすぐに考えるのはちょっと淋しい気もします。むしろこの年末も例年通りに忙しくしていられるのは有難い、と前向きに考えるようにして、新年もみんな揃って穏やかで和やかに迎えたいと思います。

もみじ12月号 四方山話より