インフルエンザの予防法

★インフルエンザとは?

インフルエンザとはインフルエンザウイルスの感染によって起こる病気です。主な症状としては、高熱(38〜40℃)や頭痛、筋肉痛、全身倦怠感などの全身症状と、のどの痛み、咳や痰などの急性炎症症状などがみられます。 インフルエンザは通常の風邪と比べ、症状が重く、全身症状も顕著に現れます。そのため高齢者がかかると肺炎を併発したり、持病を悪化させたりして重篤になり、最悪の場合は死に至ることもあります。また、潜伏期間が短く感染力が強いことも特徴で、毎年、流行期の12月下旬から3月上旬にかけては多くのかたがインフルエンザにかかっています。

★症状の経過は? 

インフルエンザウイルスに感染後、1〜3日間の潜伏期間を経て、突然38〜40℃の高熱が出て発病します。それと同時に、悪寒・頭痛・背中や四肢の筋肉痛・関節痛・全身倦怠感などの全身症状が現れます。これに続いて、鼻水・のどの痛みや胸の痛みなどの症状も現れます。発熱は通常3〜7日間続きます。
★インフルエンザの合併症
インフルエンザの合併症としては、高齢者や呼吸器系や心臓に持病を抱えている人が併発しやすい肺炎、乳幼児がごくまれに併発する脳炎や脳症もあげられます。これらの合併症はインフルエンザによる死亡の大きな原因にもなっています。 
★インフルエンザの予防法

 インフルエンザは冬場に流行します。それはインフルエンザが空気感染すること、冬場は空気が乾燥すること、寒くて乾燥した空気は気道粘膜の抵抗力を弱めることなど全ての面でインフルエンザウイルスにとって好条件が整っているからです。

1)日常生活編
・流行期には人混みを避ける。外出時にはなるべくマスクをつけるようにしましょう。
・外出後はうがい・手洗い・洗顔をする。万全を期すためにも洗える部分は洗うようにしましょう。
・室内の湿度を保つ

   インフルエンザウイルスは乾燥した状態で活発に活動します。インフルエンザウイルスの活動を抑えるためにも加湿器などを使って部屋の湿度を保ちましょう。また、定期的に室内の換気も必ず行うようにしましょう。

2)インフルエンザの予防接種を受けたら絶対にインフルエンザにかからないというわけではありません。成人の場合、インフルエンザの発病阻止率70〜90%ぐらいになります。予防接種とは病気にかかりにくくしたり、かかっても重くならないようにすることが目的だとご理解下さい。

★インフルエンザの治療法
インフルエンザの治療は大きく分けて、一般療法、対症療法、化学療法の3つに分類されます。

1)一般療法

できるだけ安静にし、十分な睡眠と栄養をとり体力をつけることが必要です。インフルエンザウイルスの活動を抑えるためにも湿度を60〜70%に保つように心がけて下さい。

2)対症療法 
発熱・頭痛・筋肉痛・などに解熱鎮痛剤、鼻水・くしゃみに抗ヒスタミン剤、咳・痰に鎮去痰剤が用いられます。しかし、これらの症状は身体からインフルエンザウイルスを追い出そうとする、身体の自然な反応ですので、薬で無理に抑えてしまうとかえって治りが遅くなってしまうことがあります。

3)化学療法

1998年に抗ウイルス薬が保健の適応になりました。この薬は発病初期(48時間以内)に服用すると治りが早くなります。インフルエンザかな?と思ったら早めに早めに連絡下さい。
もみじ2月号 『知って納得、読んで納得』より