LDLアフェレーシス療法とは? |
アフェレーシスとは、聞き慣れない言葉と思います。ギリシャ語から作られた言葉で、“強制的に取り去る”という意味を持っています。では、何を“取り去る”のでしょうか。アフェレーシス療法では、病気の原因になるものなど、体にとって好ましくないものを“取り去る”ことを行います。O-157食中毒の治療に血漿交換という治療が行われましたが、この血漿交換はアフェレーシスの一つの方法です。この治療では、O-157が作り出すベロ毒素を除去したわけです。O-157の治療だけではなく、アフェレーシス療法は色々な病気の治療に用いられています。その場合、“取り去る”ものは、その病気によって異なりますが、 血漿という血液の液体成分に含まれる病因関連物質や、血球成分である白血球などです。これらを除去することにより、病気の治療を行う人工臓器がアフェレーシスです。今回、当クリニックで行ったLDLアフェレーシスは血液中の悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を血液中から取り除くことにより血液の流れを良くする治療です。 |
どのような人にこの治療を行うの? |
特に閉塞性動脈硬化症(ASO)の症例にこの治療を行っています。 |
閉塞性動脈硬化症とは? |
動脈硬化により血管が細くなり、手や足に十分な血液が流れなくなる病気です。 LDLアフェレーシスによって血液の流れを良くすることにより症状の改善を行っています。 |
治療は、どのくらいの時間がかかるの? |
患者さんの症状によって異なりますが、1回の治療に約2時間程度が必要となります。 透析と同じように2本の針を刺して行います。 |
日常生活で気をつけること |
タバコはやめましょう。 足を清潔に保ちましょう。(入浴できない日も足浴はしましょう) 足に傷がある場合は、無理をして長時間歩かないようにしましょう。 足を良く観察し、傷やひび割れ、深爪などに注意しましょう。 靴は圧迫しない自分に合うものを選びましょう。 足を傷つけやすいので、素足やサンダルはやめましょう。 食事は主治医、栄養士の指示に従って規則正しく取りましょう。 |
もみじ8月号 『知って納得、読んで納得』より |