知って納得、読んで納得
機関紙『もみじ』 5月号より
怖い〜 脳卒中! Q&A
.脳卒中ってどんな病気なの?
A.脳の血管が詰まったり(梗塞)、あるいは破れたり(出血)して脳の機能が傷害されるためにおこる病気です。
.脳卒中には種類があるの?
A.かんたんに分けると、脳の血管が詰まる脳梗塞、脳の血管が裂ける脳出血に分類できます。
.それぞれをわかりやすく教えて下さい。
<脳梗塞>
脳梗塞は、脳内の血管がつまったり、細くなったりして、血液の流れが悪くなり、脳の組織が死んでしまうことです。

脳梗塞は、原因によって次のように分けられます。


a)脳血栓(のうけっせん)
b)脳塞栓(のうそくせん)

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<脳血栓>
脳の血管が動脈硬化などの変化によって細くなり、次第に血液の流れが悪くなり、血液の固まり(血栓)を形成し、つまってしまうことです。
<脳塞栓>
心臓内や頚動脈にできた血液の固まり(血栓)が、血液の流れに乗って進み、脳の血管を閉塞させてしまうことです。
不整脈(特に心房細動)や心臓弁膜症などの心臓病をもっている方に多く、最近では、心房細動による脳塞栓症は高齢者に多くなっています。
<脳出血>
脳ないの血管が切れて出血することです。その原因および出血する場所によって脳内出血と、くも膜下出血に分けられます。
<脳内出血>

脳の細い血管が裂けて、脳の組織の中に直接出血することです。出血した血液は固まって、血腫(けっしゅ)と呼ばれます。この血腫は、直接脳の細胞を破壊したり、周囲の脳を圧迫したりして、その部分の脳の働きを傷害します。

出血の原因は、高血圧あるいは動脈硬化によって、もろくなった血管が裂けることが最も多いといわれています。


くも膜下出血ほど生命の危険性は高くありませんが、半身麻痺や言語障害などの重度な後遺症が残ることが多いとされています。

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<くも膜下出血>
脳内の主要な血管は、脳とその表面にあるくも膜下と呼ばれる薄い膜の間にあります。そのため、血管が裂けて出血した場合には、血液は脳とくも膜との間のすき間(くも膜下腔といいます)に急激に広がり、くも膜の下のすきまに広がる出血という意味で、くも膜下出血と呼ばれます。

原因として脳内の主要な血管にできたこぶ(脳動脈瘤)が、なんらかの原因で裂けて出血するのが、最も多くくも膜下出血の原因です。こぶ(脳動脈瘤)ができる原因は不明ですが、先天的なものに、高血圧や動脈硬化などが加わって発生すると考えられています。