機関紙『もみじ』10月号より
糖尿病性(足)壊疽って知ってますか?

 
糖尿病性
()壊疽は、糖尿病の慢性合併症の1つで、組織(細胞の集合)が死んでしまう状態です。糖尿病が進行してくると、神経がおかされます。特に痛みや温度を感じる知覚神経が足の先からおかされてきます。そのために感じ方が鈍くなり、靴ずれや深爪など、足に小さな傷が出来ても気がつくのが遅れます。
 自律神経障害を来した場合には、足が冷えるので、ついつい暖房器具を用いますが、長時間当たりすぎても痛みを感じないので、低温火傷のリスクが高まります。適切な処理をせずに足の手入れを怠っていると、小さな傷でもやがて潰瘍へと悪化します。潰瘍になってしまうと治療は長期にわたり、入院も必要になってきます。そしてこの段階に血流障害が重なると、血管が詰まりやすくなり、血のめぐりが悪くなって傷が治りにくくなります。さらに感染に弱いということが重なって、そこに細菌が繁殖し、その結果、壊疽になってしまいます。壊疽の治療は非常に困難で、場合によっては足を切断しなくてはいけなくなります。

  糖尿病性の足病変の直接的原因としては、靴ずれが最も多く、2番目には熱傷が多くなっています。現在では、早期発見し、入院して、抗生物質や血管拡張剤などを使用すれば、足を切断せずに完治させることも可能となっていますが、靴ずれや火傷には特に注意しましょう。

 小さなケガを放置していたために壊疽にまで進行した例→ 
糖尿病透析患者の足病変を憎悪させる影響因子

足を守るためには?

@毎日こまめに足を観察する
A爪の手入れも大切
B入浴時には手で湯加減を確かめ、入浴後は水分をしっかり拭き取り、 クリームを塗って皮膚が乾燥しないようにする
C足にあった靴を選ぶ
Dいつも靴下を履くようにする
E火傷や感染症に注意する
F禁煙を心がける


血糖コントロールによる糖尿病そのものの治療はもちろん大切ですが、足の病気を予防するために以上のような点に日頃から気をつけていきましょう!