糖尿病性(足)壊疽は、糖尿病の慢性合併症の1つで、組織(細胞の集合)が死んでしまう状態です。糖尿病が進行してくると、神経がおかされます。特に痛みや温度を感じる知覚神経が足の先からおかされてきます。そのために感じ方が鈍くなり、靴ずれや深爪など、足に小さな傷が出来ても気がつくのが遅れます。
自律神経障害を来した場合には、足が冷えるので、ついつい暖房器具を用いますが、長時間当たりすぎても痛みを感じないので、低温火傷のリスクが高まります。適切な処理をせずに足の手入れを怠っていると、小さな傷でもやがて潰瘍へと悪化します。潰瘍になってしまうと治療は長期にわたり、入院も必要になってきます。そしてこの段階に血流障害が重なると、血管が詰まりやすくなり、血のめぐりが悪くなって傷が治りにくくなります。さらに感染に弱いということが重なって、そこに細菌が繁殖し、その結果、壊疽になってしまいます。壊疽の治療は非常に困難で、場合によっては足を切断しなくてはいけなくなります。
糖尿病性の足病変の直接的原因としては、靴ずれが最も多く、2番目には熱傷が多くなっています。現在では、早期発見し、入院して、抗生物質や血管拡張剤などを使用すれば、足を切断せずに完治させることも可能となっていますが、靴ずれや火傷には特に注意しましょう。
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