『治療用特殊食品って・・・?』

皆さんは、治療用特殊食品をご存じですか?治療用特殊食品とは、疾患の治療のために食品の成分を特殊に調整したものを言います。ですから、主に腎不全期などの食事の制限が厳しい時に活用されます。食品の種類は、エネルギー調整用食品・たんぱく質調整用食品・食塩調整用食品・リン調整用食品に分けられます。
エネルギー調整用食品 エネルギー不足を補うことを目的とする食品で、エネルギー源として、炭水化物またはでんぷん類を主成分とするもの、油脂類を主成分とするものとがあります。粉飴とカロライナーは、でんぷんを分解して得られた甘みの少ないか、ほとんど甘みのない糖分(低甘味ブドウ糖重合体)です。でんぷん類は米、もち、粉、めん類などがあります。マクトン類は、脂肪酸炭素数の少ない脂肪よりなる食品(中鎖脂肪酸製品)で、油状、粉末、ゼリー、菓子類などがあります。
たんぱく質調整用食品 主食のたんぱく質含有量を減らすことを目的とする食品です。米飯類、めん類、パン類などがあります
食塩調整用食品 各種の減塩調味料があります。
リン調整用食品 高リン血症のとき利用されますが、基本的には適切なたんぱく質制限が必要です。

これらの食品は、むやみに使用する必要はありませんが、個々の食生活に応じて上手に活用することによって、無理のないおいしい食事を楽しむことができます。治療用特殊食品については、当院でも必要に応じて随時紹介していますが、腎臓病の食品交換表や、特殊食品のパンフレットなどにも掲載されています。数多くある特殊食品については、透析患者さんは充分な注意が必要です。使用に際しては、医師・管理栄養士にご相談下さい。
院内発行機関誌 もみじ3月号より